お客様に寄り添って事故防止と業務効率化を支える、オーダーメイドの車両管理BPOサービス
明治安田生命保険相互会社様
総務部 部長 平出孝之様
総務グループ グループマネジャー 岡本昌也様
総務グループ スタッフ 丹坂元紀様
業種:保険業
導入サービス:車両管理BPO
導入目的・効果:業務効率化、安全運転・事故削減、アウトソーシング
「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」を企業ビジョンに掲げる明治安田生命様。同社は2021年から、営業車のリース活用にともない、芙蓉オートリースの車両管理BPOサービスを導入されました。その背景や狙い、思いとはどのようなものだったのでしょうか?
同社総務部長の平出孝之様、総務グループマネジャーの岡本昌也様、総務グループスタッフの丹坂元紀様と、本取り組みを推進した芙蓉オートリースBPOサービス推進部の出口裕隆、高橋麻理子に、サービス導入の経緯や提案内容、運用方法、メリットなどについて聞きました。
1,600台を超える車両管理BPOサービス。
導入の決め手は「車両管理一元化」と「DX化」を軸にしたお客様に寄り添う柔軟な提案
現在の明治安田生命様の車両利用状況について、管理を担当されている芙蓉オートリースから教えてください。
( 出口 )
2021年から2024年にわたり、営業車として順次ハイブリッド車をリースで導入されました。現在は約1,650台もの車両を使用されています。
私どもの車両管理BPOサービスでは明治安田生命様専用の「車両サポートデスク」が、総務部様や営業拠点担当者様、複数ある取引リース会社や各サプライヤーに対するすべての窓口を担当しています。私どもが手配業務の合理化、各種データの可視化や精度向上などを行なうことによって、車両管理に関する煩雑な業務の一元化を実現しています。例えば、契約の取りまとめや各種請求データの集計、車両故障に関する問い合わせ対応などの多岐にわたる業務をお引き受けしています。
車両管理BPOサービス導入以前に抱えていた課題と、サービス導入の経緯をお聞かせください。
( 岡本様 )
全国の支社長車は以前からリースを導入済みでしたが、営業車は保有しておらず、各営業担当者が個々に車両利用の費用処理をしていたため、経費精算などが煩雑で各所の負担となっていました。また、当社としても交通事故の未然防止や営業担当者の安全確保、燃費・CO₂削減などの環境対策を全社的な課題と認識していたため、安全性が高く環境にもやさしい車両を営業車としてリースで全国一斉に配備することを決定しました。
営業車のリース化にあたり、総務部が車両管理業務を行なうこととなりましたが、1,600台規模の車両管理は初めての経験でノウハウがありませんでした。また、限られた人員で業務を行なう必要もありました。そこで、継続的なサポートが受けられる車両管理BPOサービスも含めた総合的な提案をお願いすることになりました。
芙蓉オートリースからはどのような提案をされたのでしょうか?
( 出口 )
明治安田生命様へは「車両管理一元化」と、「DX化」の2つを軸に提案を行ないました。
車両管理においては、取引するリース会社をはじめ、車両ディーラーやカード会社、メンテナンス工場、保険会社などと様々なやり取りが発生し、それが大きな負担になってきます。そこで私たちの車両サポートデスクが、弊社以外の取引リース会社や各サプライヤーとの取りまとめ窓口を引き受けること、メンテナンスサービス内容と窓口を統一すること、事故時の窓口も一本化することなどによって管理を一元化し、総務部様のご負担を可能な限り軽減できるような体制の構築をご提案しました。
また、明治安田生命様が求める「事故防止」に関する取り組みを、テレマティクスの導入によるDX化でさらに推進することについても提案を行ないました。
テレマティクスとは、通信機能を有した専用の機器を車両に搭載し、そこから取得できる各車両の使用状況や走行・位置データなどの情報を活用することで車両管理や安全運転管理、労務管理にお役立ていただけるサービスです。
安全運転管理・労務管理にフル活用いただくために、様々なテレマティクスの中から機能・コストの比較検証を行なうとともに、各業者と何度も打ち合わせを重ね、テレマティクスからのアウトプットデータをカスタマイズできる「オーダーメイド」の仕組みを構築し、提案しました。
結果的に最適なテレマティクスをお選びいただけたのではないかと思います。
私どもの車両管理BPOサービスにも基本的なサービスメニューはありますが、「お客様に寄り添うこと」が最も重要と考えています。明治安田生命様の状況やご要望に対しても、基本メニューに縛られることなく常に柔軟な対応を心がけて取り組みました。
こうした提案に対する印象と、採択の決め手について教えてください。
( 岡本様 )
リース車両の全国一斉配備は数年間かけて行なう長期的プロジェクトです。配備途中で起こる課題や、拠点担当者からの問い合わせなどを適時・適切に対処していくために、持続的・安定的な体制が必要と考えていました。
しかし、総務部では車両管理業務に割ける人員が限られる上、人事異動で担当者が変わってしまうことも想定されました。そうした状況でもプロジェクトを上手く進めていくために、車両管理BPOサービスには専門家による、持続的で安定的なサポートを期待しました。
芙蓉オートリースとは検討段階から何度も打ち合わせを行なってきましたが、当社からの要望事項に対する柔軟な提案や、発生した課題に対する丁寧な対応などから、将来にわたり安心して車両管理のサポートをお願いできる会社だと判断しました。
「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」を掲げる当社としては、事故を未然に防ぐ体制を整えることが大切だと考えています。それに対し、テレマティクスから取得できるデータ活用による安全運転管理のDX化に関する提案をいただけました。
またCO₂排出量削減などの環境対策にも積極的に取り組んでいきたいという方針の中で、リース車両自体についても、自動ブレーキ機能や危険アラート機能などの事故防止装備を搭載し、高い安全性能と環境性能を両立したハイブリッド車を提案いただけました。当社が抱えている課題や要望に丁寧かつ適切に対応いただけたと考えています。
ゼロからの車両管理BPOサービススタート。
「車両サポートデスクは総務部の一員」を心掛けた対応で各拠点にも浸透
車両管理BPOサービスの導入はどのような流れで進められましたか?
( 出口 )
通常の車両管理BPOサービスでは、お客様が定めている車両管理規定を必要に応じて見直し、社内業務のフローや各リース会社、各サプライヤーとの取引の流れをもう一度整理し直すところからスタートします。
しかし明治安田生命様の場合は、営業車のリース導入開始に向けてそれらをゼロから作るところからスタートしました。業務フロー作りや各種申請書面の制定といった社内業務のルール化、取引リース会社や各ディーラー、各サプライヤーへの車両管理BPOサービス導入周知といった対外的な対応の方法など、大きな部分から細かい部分まで明治安田生命様と密に相談をしながら進めていきました。
現在の運用、業務の分担などについて教えてください。
( 丹坂様 )
車両の故障時は、該当車両の状態によって対応が異なるため、まず各拠点から芙蓉オートリースの車両サポートデスクに連絡をしてもらうようにしています。状況によって車両サポートデスクから総務部へ連絡やアドバイスをいただけるので、適宜相談しつつ各拠点担当者へ対応を指示しています。
新規車両の導入時は、明治安田生命側で予算も含めて検討の上、芙蓉オートリースにリースの発注を行ないますが、その後の車両発注から車両納車までのスケジュール管理は芙蓉オートリースに一任する流れができています。
( 出口 )
芙蓉オートリースの車両サポートデスクでは、高橋を含む2名を中心としたチーム体制を整えて、各拠点からの様々な問い合わせに対応しています。
現在、新車の納期が不安定かつ長期化しているため、ご希望されている納期までの納車が間に合わないこともあるのですが、新車納車までのレンタカー手配や新車納車時の入替手配も、総務部様や各拠点担当者様とお打ち合わせをしながらスムーズに進められるよう対応しています。
( 高橋 )
車両管理業務では、なるべく丹坂様や総務部の方にお手間をかけることがないよう、自身で判断できることは対応すること、報告はしっかりすることを心掛けています。
車両管理BPOサービスの導入当初は、総務部様に細かな問い合わせが入ることが多かったと思いますが、現在では車両サポートデスクへのお問い合わせの際に「こんにちは」とフランクにお話いただける拠点も増え、私たちのサービスが各拠点まで浸透していることを感じます。私たちも総務部の一員だと思って業務を行なっていますので、皆様から頼っていただけることにやりがいを感じています。丹坂様がご自身でご対応されている業務がありましたら、私たち車両サポートデスクにお任せください。
車両管理BPOサービスがもたらした「業務効率化を超えた、非常に大きな価値」
車両管理BPOサービスを導入した成果、メリットについてお聞かせください。
( 丹坂様 )
私としては、メリットしか感じていません。2024年4月に着任しましたが、総務業務自体が未経験だった上、車両管理に必要な知識・ノウハウを充分に持っていませんでした。右も左も分からない時に相談できる心強さと安心感を強く感じています。「いつでも電話して」というお言葉に甘えて、都度相談をさせていただいています。
( 岡本様 )
営業車のリース化および車両管理BPOサービス導入により、従来抱えていたガソリン代や車両整備費用といった経費精算の手間などが軽減され、総務部門だけでなく経理業務における効率化にも寄与していると認識しています。
また、車両管理BPOサービス導入後は定期的に「BPOレポート」という形で車両の管理状況を報告いただいています。走行距離を含む車両メンテナンスデータ、給油データ、車両動作データなどから車両管理や安全運転に関する様々なリスクを分析して報告いただけるので、振り返りとともに従業員へのアドバイスもできるようになりました。その他、各拠点からの様々な問い合わせへの対応もまとめていただけるので、総務部だけでは気づけなかった部分の対策を打つ上でも役立っています。
( 平出様 )
車両管理担当を2名しか配置できず、他業務との兼任になってしまう状況のなか、われわれ以上に自社の車両管理を分かってくれているプロの方々が社外にいて、安心して仕事ができる環境をサポートしてくださるのは大きなメリットの1つです。4月に丹坂が赴任した際も芙蓉オートリースの手厚いサポートにより最低限の引き継ぎで済み、非常に助かりました。
特にテレマティクスのデータには本当に助けられています。危険運転懸念の兆候がある営業担当者にデータと合わせてタイムリーに注意を促せるので、効果的な安全運転指導につながっています。
未然に事故を防いで、大事な人の命・生活を守れることは、生命保険会社の意義としてだけでなく、自社の「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」という理念からしても最も大きなメリットです。お客様や地域の皆様はもちろんですが、従業員にとっても一番やさしくありたいと考えている中で、重要な取り組みが実施できていると感じています。
これらは単なる事務対応や業務の効率化といった観点を超える、車両管理BPOサービスの非常に大きな価値だと思います。
サステナビリティ対策の重要なポイントとなる営業車の運用。
今後も知見を生かしたアドバイスを期待したい
車両利用、車両管理における今後の展望は?
( 丹坂様 )
今後の車両利用においては、CO₂削減などの環境対策としてEV化が重要な課題になります。現在、EVとは何か?から勉強を始めているところです。自身の車両管理業務における大きな区切りになる取り組みですので、こちらから芙蓉オートリースに「こんなことはできないか?」と逆提案できるようになっていきたいと思っています。車両管理については引き続きのサポートをお願いするとともに、こちらからの逆提案に対しても同様に、知見を生かしたフィードバックなどをいただけるとありがたいです。
( 岡本様 )
当社グループではサステナビリティ方針として6つの項目を定めています。その1つに「地球環境の保全」を掲げており、2050年度CO₂排出量100%削減(ネットゼロ)に向けた取り組みを強化しています。
CO₂削減目標達成のため、営業車の運用は重要なウェイトを占めています。2021年4月にスタートした全車ハイブリッド車でのリース車全国一斉配備が2024年度で完了する予定です。最初のリース契約満了を迎える2026年には、より環境に配慮したEVなどの車種へ切り替えを検討する必要があると考えています。すでにEVの選定や、EV充電インフラ整備、エネルギーマネジメントなどの課題についてアドバイスや提案をいただいていますが、今後も芙蓉オートリースとの更なる連携によって課題解決をしていきたいと考えています。